
外壁のコーキングをチェックしてみよう|劣化のサインや防止策、補修費用を解説
外壁塗装
目立つ部分ではないけれど、大切な役割を果たしているコーキング。外壁材の目地などにあるこの部分をチェックしてみたことはありますか?
実はこのコーキングの劣化を放っておくと、思わぬ形で住まいの大きなトラブルを招いてしまうこともあります。
この記事ではコーキングに関してよくある下記のような疑問にお答えします。
- コーキングとはどんなもの?
- コーキングの劣化を放っておくとどうなる?
- コーキング工事の費用相場はどれくらい?
建物を長持ちさせるコーキングを、お得に賢くメンテナンスするための正しい情報をこの記事でチェックしておきましょう。
外壁の「コーキング」とは?実は住まいを守る大切な部材
外壁の「コーキング」とは、屋根・外壁にあるいろんな隙間を埋めるために使われる樹脂製で弾力のある部材のことです。別名「シーリング」とも呼ばれます。
主に外壁では、
- サイディングの目地
- 窓サッシやドアなど開口部の周囲
- 外壁から突き出している配管の周辺
など、あらゆる隙間に充填され、雨水や湿気の侵入を防いでいるんです。
このコーキングのおかげで、住まいの耐久性と快適性が保たれます。
コーキング材には様々なタイプがあり、特徴や用途が異なります。
外壁には、
- ウレタン系
- 変性シリコーン系
など特に耐候性(紫外線からくるダメージに対する強さ)が優れていて、日光や雨風にさらされても長持ちするものが使用されます。
といっても、どんなコーキングであれ経年劣化は避けられません。そのため、定期的なチェックや適切なメンテナンスが必要になってくるんです。
外壁のコーキングが劣化するとどんな症状が現れる?
コーキングの劣化は目視で簡単に確認できます。
コーキングの耐用年数はおよそ10年。劣化は段階的に進んでいくのですが、主に下記のような3つの段階に分け得られるかもしれません
- 劣化レベル①:コーキングが弾力を失って痩せたようになり、細かなひび割れが表れる
- 劣化レベル②:さらに縮んで、外壁材やサッシ等との間に隙間ができる
- 劣化レベル③:外壁材から完全に剥がれたり、目地から抜け落ち、垂れ下がったりするようになる
③の段階まで進むと、雨水や湿気が建物内部に侵入し始めている可能性が高いかもしれません。そのような症状は、やがて外壁内部の木材の腐食など、建物全体の耐久性低下を招くリスクがあります。
コーキングの「ブリード現象」とは?
外壁のコーキングでは、上記の劣化症状とは別に「ブリード現象」という問題が生じることがあります。
コーキング材に含まれる可塑剤が外壁の塗料などと反応してにじみ出、外壁にシミができたように黒く変色してしまう現象です。
特に外壁塗料とコーキング材を組み合わせが不適切な場合に発生しやすく、施工不良の一種といえます。
ブリード現象を避けたい場合は「ノンブリードタイプ」のコーキングを選ぶようにしましょう。
ノンブリードタイプはノーマルタイプのコーキングより若干高くなりますが、家の美観を保つ上で十分な効果を発揮してくれます。
2種類の外壁コーキング工事「増し打ち」と「打ち替え」の費用相場は?
コーキングの補修方法には、既存のコーキングの上から新しいコーキング材を充填する「増し打ち」と、古いコーキングを完全に撤去し、新しいコーキングを打ち直す「打ち替え」の2種類があります。
増し打ち・打ち替えそれぞれの費用相場は下記の通りです。
増し打ち工事の場合
- 1mあたり800〜1,000円程度
- 一棟150mなら工事費用は12万〜15万円程度
打ち替え工事
- 1mあたり約1,000〜1,200円程度
- 一棟150mなら工事費用は15万〜18万円程度
建物の規模や形状、使用するコーキングのグレードなどによっても差が出ますが、コーキング工事は一軒あたり15万〜20万円程度となることが多いようです。
「増し打ち」と「打ち替え」どっちがお得?
上記の通り、打ち替えより安く施工できる「増し打ち」ですが、新しいコーキングの層が薄く、効果は限定的になってしまうというデメリットもあります。
それに対して打ち替えは費用が少し高くなるものの、10年以上の耐久性が期待できます。
実際、増し打ちと打ち替えの工事価格の差は3〜5万円程度でしょうか。その程度の価格差であれば、少し高くても長期的には打ち替えの方がコストパフォーマンスのよい選択肢となる可能性が高そうです。
コーキング工事を外壁塗装工事と同じタイミングで行った方が良い2つの理由
ご自宅のコーキング工事を検討しているなら、外壁塗装リフォーム工事と同時に行うのが断然オススメです。
この二つの工事を同時に行う方がよいといえるのには、大きな2つの理由があります。
理由①:工事費用の大きな節約になる
コーキング工事自体の費用は上記の通りですが、実はこの工事ではさらに「足場設置」も併せて行う必要があるんです。
足場設置工事費用も条件によって上下しますが、1棟あたりの費用相場はおよそ15万〜20万円程度となることが多いようです。
この足場設置工事は外壁塗装リフォームでも必要になるため、コーキング工事と外壁塗装を同時に行えば足場設置が一回で済み、15〜20万円程度の足場代を節約することができます。
理由②:コーキング・塗料の相性の良い組み合わせで耐久性を向上できる
同時に行えば、相性のよい塗料・コーキング材を組み合わせやすくなり、施行不良・ブリード現象などのトラブルを未然に防ぐことができ、耐久性が向上します。
理由③:コーキングの上に塗装できる
コーキング工事と塗装のタイミングを合わせる場合、コーキングを打ってから塗装を行うことを「先打ち工法」と言います。
先打ち工法では目地のコーキングの上にも塗装できるので、コーキング材の保護になると同時に、目地が目立たなくなり美観が向上します。
もっとも、コーキングの上の塗料はやや劣化しやすいというデメリットもあるため、バランスのとれた判断が必要です。
まとめ|コーキングの劣化が進んでいれば、まずは優良な外壁塗装専門店に相談してみましょう!
住まいを守る大切な役割を持っている「コーキング」。可能なら時おり状況雨をチェックし、劣化が見られるなら対策を検討しておきましょう。
コーキングの劣化が進んでいる建物では、外壁塗装の劣化も進行していることも多いんです。焦る必要はありませんが、早めに地元の優良な外壁塗装専門店に相談してみるのもよいかもしれません。
コーキング工事と外壁塗装をセットで考えておけば、より長く安心して暮らせる住まいを維持できます。