
1級塗装技能士とは?“国家資格”で信頼できる外壁塗装業者を見分けよう

外壁塗装
外壁塗装リフォームを難しく感じてしまう場合、「施工業者をどう選べばいいかわからない」というのがその理由の一つかもしれません。
絶対失敗したくないのに、たくさんある業者の中からどうやって優良な塗装業者をえらべばいいかわからない。そんなお悩みをお持ちなら「1級塗装技能士」という資格について知っておけば、外壁塗装業者選びはシンプルで簡単になります。
この記事では、
- 1級塗装技能士とはどんな資格か
- 1級塗装技能士がいる外壁塗装業者にはどんなことを期待できるか
- 満足のいく外壁塗装リフォームには資格なんて関係ない、というのは事実か
といった、かしこい外壁塗装業者選びに役立つ情報をご紹介します。
1級塗装技能士とは?信頼できる業者の目安になる国家資格
「塗装技能士」とは300種類ほどある国家資格の一つで、厚生労働省が認定します。
有資格者が塗装に関する高い知識と技術を有することを国が認めるもので、有資格者でなければどんなに高度な“技能”を持っていても塗装技能士を名乗ることはできません。
1級塗装技能士は他の民間資格とはどう違う?
外壁に関する資格としては「外壁診断士」や「外壁アドバイザー」といったものもあります。
これらは「民間資格」で、塗装技術を保証するものではなく消費者に「アドバイス」や「提案」をするという位置付けの資格なので、「塗装技能士」とは方向性が異なるものです。
受験するには実務経験が必要ですが(建築士など特定の資格があれば実務経験なしでも受験可能)、試験はWEB上で簡単に受験することができ、実技試験もありません。
1級塗装技能士の受験資格は?
1級塗装技能士の受験資格で問われるのはその名の通り「塗装の技能」です。その技能をまずは一定程度証明するものとして「実務経験」が必要になります。
1級を受験するのに必要な実務経験年数は下記のとおりです。
塗装作業の実務経験が7年以上
2級に合格してから2年、もしくは3級に合格してから4年の実務経験
つまり塗装の現場で実際にどれだけ経験を積み、腕を磨いてきたか?がまずは問われるわけです。
1級塗装技能士試験の難易度は?
1級塗装技能士の試験内容は「学科試験」と「実技試験」の2種類。つまり、実務経験と技術が重視されているとはいえ、知識もなければ合格できないということになります。
近年の合格率は約40%程度で推移しているようです。実務経験が7年以上あるような中堅やベテラン勢でも60%は不合格、と考えると、なかなか簡単に取れる資格ではないといえるでしょう。
1級塗装技能士のいる外壁塗装専門店に期待できることとは?
1級塗装技能士が在籍している塗装業者には、下記のようなメリットを期待できます。
期待できること①:建築塗装を知り尽くした高度な技術
1級塗装技能士の学科試験では塗装資材や下地についての知識、色彩、関係する法律、安全衛生などについての設問に正しく答える必要がありますし、学科試験では難易度の高い実際の塗装作業が求められます。
つまり1級塗装技能士に合格している職人には、
- 外壁塗装の色選び・塗料選びについてプロフェッショナルな提案ができる
- 求められた塗装を高品質に仕上げることができる
- 作業者や周囲の人の安全に配慮した作業ができる
といった期待ができるわけです。
期待できること②:スピーディで丁寧な作業
1級塗装技能士の実技試験では5時間の作業時間のなかで、課題をこなすことが求められます。この5時間の中で、きちんと片付けまで完了させなければなりません。
さらに、試験中の一時退席も認められますが、その際にもきちんと道具類を片付けることが求められます。
つまり1級塗装技能士は時間どおりに質の高い塗装作業ができるうえに、多岐にわたる塗装用具・塗料をきちんと丁寧に扱える人といえるのです。
外壁塗装作業ではお客様の敷地内に入って作業をするわけですから、この片付け・整頓に関する信頼度はかなり重要なポイントではないでしょうか。
さらに、実技試験のために使用できるスペースは2m×2mと定められていて、あまり余裕のある広さではありません。実際の外壁塗装作業も多くを狭い場所で行う必要がありますが、有資格者であれば狭くとも丁寧な塗装作業を行なってもらえることを期待してよいでしょう。
期待できること③:コストパフォーマンスの良さ
1級塗装技能士の実技試験ではもちろん使用する塗料が提供されますが、試験の途中で塗料が足りなくなったからといって追加でももらうことはできません。
また実技試験の塗装は調色(複数の塗料を混ぜ合わせて狙った色を出す作業)も行う必要がありますが、この調色をしくじってしまっても、やり直し用の塗料の支給はやはりありません。
外壁塗装の現場でも、適切な見積もりを出す上で、また均一な仕上がりとする上で塗料を適切に・計画的に使用するというのは実は重要なポイントです。
このポイントをきちんと押さえた1級塗装技能士なら、貴重な塗料を無駄にしない、コストパフォーマンスの良い仕事を期待できるでしょう。
結論:1級塗装技能士のいる外壁塗装業者は満足のいく仕事をしてもらえる可能性が高く、トラブルのリスクは低い
残念なことに、外壁塗装では下記のような原因で施主と業者の間でトラブルになってしまうこともあります。
- 施工不良…塗装後色ムラができたり短時間で塗装が剥がれたりする、など
- 段取りの不備…工期が大幅に遅れる、など
- コミュニケーション不足…思っていた色と違う、見積りが不明瞭に思える、など
- ケアレスミスによるトラブル…塗装する家の周囲に塗料の飛散が見られる、など
このようなトラブルの多くは、実務経験・技術・知識の不足によるものと考えられます。それで、高い塗装技術と専門知識をもつ1級塗装技能士が在籍する業者であれば、このようなトラブルは避けられる可能性が高いと言えるでしょう。
「外壁塗装に資格なんていらない」という人もいるのはなぜ?
中には「外壁塗装に資格はいらない」と考える人も多いようです。
たしかに資格がなくても十分な技術・知識を持つ塗装職人は存在します。
とはいえ国家資格とは「信頼できる技術を有している」ということの証拠になるもの。
塗装技能士の資格がない=技術が低い、ということでは決してありませんが、消費者の立場から「安心して仕事を任せられる業者を見分けるにはどうすればよいか」を考えるなら、やはり1級塗装技能士が在籍する塗装業者を選ぶのがおすすめ、と言えそうです。