
【伊勢市の屋根工事】屋根材のコロニアルについて徹底解説します!

お知らせ
家を建てる際やリフォームを検討する際、屋根材選びはとっても大切です。
屋根は家の見た目に大きく影響するだけでなく、雨風や紫外線から住まい全体を守る大きな役割を担っています。
この記事では屋根材の中でも、人気の高い「コロニアル」について、
・ コロニアルとはどんな屋根材か
・ コロニアルのメリット・デメリット
・ コロニアルと他の屋根材との比較
・ コロニアル屋根のメンテナンス方法
などについて、徹底的に解説します。
人気の屋根材「コロニアル」とは?
コロニアルは「化粧スレート」と呼ばれる薄型のセメント系屋根材の一種です。KMEW(ケイミュー)株式会社が製造・販売している「カラーベスト」という化粧スレート製品シリーズの中に含まれます。
スレートというは、本来は薄くスライスした粘板岩(つまり石材)屋根材にしたもので、ヨーロッパなどで古くから愛用されてきた屋根材を指します。
コロニアルを含め、近年の日本でスレートとよばれている屋根材のほとんどは天然の石材ではなく、セメントと繊維素材を混合して薄く形成した「化粧スレート」が使われています。
製造年によってコロニアルの性質・強度は少しずつ異なる
コロニアルにはセメントに混ぜる繊維素材として、かつてはアスベスト(石綿)が使用されていました。このアスベストは人体に有害であることが判明して以降、使用が禁止されており、現在のコロニアルにももちろん使用されていません。
その後もコロニアルの製造方法は変化しているので、製造年によって下記のように少しずつ特徴が異なっているのです。
- 2004年ごろまで:アスベストが使用されていた
- 2004〜2010年ごろまで:アスベストは使用されていないが、強度がやや劣るコロニアルが多い可能性がある
- 2010年以降:繊維材の補強が強力で、コーティングも優秀
というわけで、もしコロニアル屋根のお家にお住まいであれば、屋根の施工年によって、2025年現在は次のような状態になっている可能性があります。
施工後25年以上経過しているコロニアル
アスベストが使用されている可能性があります。アスベストは空気中に飛散しない限り害はないので、破壊しない限り人体に悪影響はなく、塗装リフォームも可能です。
解体・撤去したいという場合には建築物石綿含有建材調査者、工作物石綿事前調査者、石綿作業主任者などの専門の有資格者が在籍する業者に依頼する必要があるかもしれません。
施工後15〜20年経過しているコロニアル
この時期のコロニアルにアスベストが使用されている可能性は低いですが、耐久性に不足がある可能性があります。
施工後15年未満のコロニアル
安全で耐久性の高いコロニアルが使用されている可能性が高いです。
コロニアルの人気の理由|5つのメリットとは?
コロニアルはスレート屋根の代表ともいえる屋根材で、新築・リフォームのどちらでも非常に人気があります。
その人気の理由としては、下記のような4つのメリットが挙げられます。
メリット①:費用を安く抑えられる
コロニアルは瓦屋根に比べて安く施工できる屋根材です。
瓦屋根(和瓦)であれば施工費用は一坪(3.3㎡)あたり4〜5万円ほどが相場になります。コロニアルなら2〜3万円ほどで施工できることが多いです。
一件あたりの屋根工事では瓦より数十万円ほど安く施工できる計算になるので、リフォームでも新築でも選びやすい屋根材となっています。
メリット②:施工性がよく、取り扱い業者が多い
コロニアルは1枚あたりが小さく、薄く、軽量なので施工しやすいのも大きなメリットです。
取り扱いやすいコロニアルは施工できる業者も多く、お住まいの近隣で施工業者を探しやすいでしょう。また加工も簡単なので複雑な形状の屋根にも柔軟にでき、短い工期で施工できます。
ただし施工時に釘の打ち方や重ね方などを間違える施工不良があると、防水性能に問題が生じたり、コロニアルが割れたり剥がれたりしやすくなることもあります。十分な施工実績がある業者を選ぶようにしましょう。
メリット③:軽量で耐震に有利
コロニアルの重さは1枚3.4kg。1坪(3.3㎡)あたりに20枚使用するのでその重量は約68kgになります。瓦の重さを1坪160〜170kg程度と考えると、その半分以下、約40%程度の重量しかありません。
これを屋根の面積が30坪(約100㎡)の時の屋根材の総重量に換算すると、コロニアルと瓦の重量の差は約3tにもなるんです。
屋根が重いと地震の時建物にかかる力も大きくなり、家が壊れたり倒壊したりする原因にもなりえます。屋根の軽さは地震に対する強さにつながるのです。
メリット④:暴風・豪雨にも強い
規定通りに施行されたコロニアルは、屋根材が常に二重になる設計となっており、豪雨で漏水したり、強風でばたついたり飛散したりすることがほとんどありません。
もちろん、十分な強さを発揮するには規定通り正しく施工する必要があります。
メリット⑤:豊富なカラーバリエーションから選べる
コロニアルのカラーはグリーン系、ベージュ系、ブルー系、レッド・オレンジ系などなど、多彩なバリエーションが用意されています。屋根と外壁の色・デザインを合わせやすいのが人気の理由となっています。
もちろん塗装で色を変えることも可能です。
しかし最新のコロニアルは「グラッサコート」という耐候性(紫外線に対する強さ)の非常に高いコーティングが施されているので、新規施工から30年くらいは色褪せがほとんど無いと言われています。コロニアルが新品の状態でせっかくのコーティングを塗装してしまうのは、ちょっともったい無いかもしれません。
コロニアルの気になる3つのデメリットとは?
メリットが多い一方で、コロニアルにも注意しておきたいデメリットもあります。リフォームや新築の屋根材の検討時には、こうした弱点も理解しておきましょう。
デメリット①:耐久性がやや低く、ひび割れすることがある
コロニアルは薄くて軽いため、強い衝撃や経年劣化によって割れてしまうことがあります。また、台風で飛来物が当たったり、人が屋根の上を歩いたりした際に、瓦ほどの強度がないためヒビが入ることもあります。
さらに、表面の塗装やコーティングが劣化すると、脆いセメント部分がむき出しになって劣化が進みやすくなるという点も注意したいところです。
このようなデメリットをカバーしてコロニアルを長持ちさせるためには、定期的な点検とメンテナンスを計画的に行うようにしましょう。
デメリット②:断熱・遮熱性が低い
コロニアル自体には断熱性・遮熱性はほとんどありません(コロニアル遮熱グラッサを除く)。
そのため夏場は屋根表面が高温になり、天井裏・室内の気温も上がりやすくなります。
「遮熱グラッサ」のように遮熱性のあるコロニアル製品を選ぶか、遮熱塗装を行う、または屋根裏・天井裏に断熱材を追加するなどの方法でこのデメリットをカバーすることもできます。
デメリット③:苔やカビが生えることがある
表面がザラついているため、水はけが悪い北面や日陰では苔やカビが生えやすいのも弱点です。
苔やカビは見た目を損なうだけでなく、屋根材に水分を含ませて劣化を早める原因にもなります。この問題も定期的な清掃や塗装メンテナンスを行うことでかなりの程度防ぐことができるでしょう。
コロニアルの代表的な4種類
コロニアルの耐用年数は25〜30年ほどと結構長持ちするのですが、製造年によって強度や性質が異なっています。
そのような違いは実はコロニアルが1960年代に発売されてから今に至るまでたどってきた歴史とも関係があり、それが屋根の塗装や葺き替えリフォームにも影響する可能性があるんです。
コロニアルの過去の人気製品と現行のラインナップを詳しくみていきましょう。
① ニューコロニアル(製造・販売年:1979〜2000年ごろ)
「ニューコロニアル」はいわばコロニアルの第一世代とも言える製品です。1979年〜2008年ごろに製造・販売されており、現在は製造中止になっています。
安価で導入しやすく耐久性も高いことから広く普及し、「化粧スレートといえばコロニアル」というイメージが定着するほど人気製品になりました。
ところがこのニューコロニアルには健康被害につながるアスベストが含有されていたため、2000年ごろ以降は生産・販売されていません。
それでも30年以上長持ちするニューコロニアルも少なくなく、屋根材として現存しているものもあります。
② コロニアルNEO
アスベストの使用が禁止され、ニューコロニアルの後継として販売されたのが「コロニアルNEO」です。2001〜2008年ごろ に製造・販売されており、現在は製造中止になっています。
禁止されたアスベストの代わりに使用された繊維素材の耐久性に問題があったためひび割れ・欠け・反りなどの劣化が短期間で表れ、7年ほどで製造中止になりました。
コロニアルNEOは塗装リフォームを行っても耐久性の低さをカバーするのは難しく、カバー工法や葺き替えリフォームが推奨されます。
③ コロニアルクアッド
「コロニアルクアッド」は現行モデルのコロニアルの中で標準グレードに位置する製品です。コロニアルNEOのぜい弱性は大きく改善されています。
上位モデルのグラッサと基材は同じですが、表面にはアクリルコートが塗装されています。
④ コロニアルグラッサ
現行のコロニアルは特徴のことなる複数の製品を「グラッサ」の名称でシリーズ化されています。コロニアルNEOのぜい弱さを克服し、高耐久で美観も長持ちする製品に仕上げられています。
コロニアルグラッサの大きな特徴は美観が長く維持される「グラッサコート」というコーティングが採用されている点です。
ケイミューが独自に開発した「無機塗膜」によって紫外線に強く色褪せがしにくい屋根材となっていて、張りたてのような美しさが20年以上続きます。現在、コロニアルシリーズの中でも最も普及しているモデルの一つです。
コロニアルプレミアムグラッサ
天然石のような堂々とした石目調のデザインが建物の風格を引き立てる、「コロニアルグラッサ」の上位モデルです。
サイズがコロニアルグラッサと共通する「レイシャスグラッサ」と、寸法幅を606mmと短くした「グラッサ600」があります。
コロニアル遮熱グラッサ
表面に遮熱機能をもつ加工を施した製品です。太陽光の赤外線を効率よく反射することで、屋根の表面温度の上昇を抑えます。室内にも熱が伝わりにくくなり、夏の冷房効率を高める効果が期待できます。
コロニアルグラッサ・シャッフル
系統を同じくする複数のカラーをランダムに混ぜ合わせることで、高度なデザイン性を表現できる製品です。単色にはない奥行きとユニークさが生まれ、建物の個性を引き立てます。
コロニアル屋根は劣化をしっかりチェックし、適切にメンテナンスしましょう!
コロニアルは瓦やガルバリウムと比べると耐久性に劣るとはいえ、適切に施工し、定期的にメンテナンスすればとても長持ちする優秀な素材です。
もしコロニアル屋根にお住まいなら、地上や窓から見える範囲で屋根のコンディションをチェックしてみましょう。状態・ダメージのレベルに合わせて下記のようなメンテナンスができます。
メンテナンス①:塗装リフォーム
外観に色褪せがみられるものの、コロニアル自体の劣化が進んでいなければ塗装リフォームで美観も屋根の防水機能も十分に回復させられるでしょう。
メンテナンス②:屋根カバー工法
コロニアルの劣化が進んでいて、塗装だけでは十分な強度や防水機能を回復できない、見た目にも問題があるということもあります。
そのようなケースでは「屋根カバー工法」が有効かもしれません。屋根カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せず、上から新しい屋根材を重ねて施工するリフォーム方法です。葺き替えより費用を抑えることができます。
メンテナンス③:葺き替え
屋根材の劣化が進み、さらに下地材や防水シートなどにも劣化・腐食などがある場合(雨漏りが多数ある場合など)には、屋根の葺き替えがベストかもしれません。
費用はかかりますが下地材の劣化まで確認・補修できるので、屋根に関する問題を根本的に解決し、強く美しい屋根へと刷新することが可能です。
まとめ
コロニアルはリーズナブルで地震にも強い、優秀な屋根材です。さらに近年ではコロニアルも進化していて、美しさや強度がより長持ちするようになっています。
施工から15〜20年ほど経ち、色褪せや割れ・欠けが目立ってきた屋根材も、しっかりとメンテナンスすればまだまだ使える可能性は十分にあります。
三重県伊勢市、松阪市、志摩市、津市、鳥羽市にお住まいのみなさま、コロニアル屋根の塗装や、コロニアルを使ったカバー工法・葺き替えなどのリフォームをご検討中であれば、ぜひ私たち株式会社ペイントワンにお気軽にご相談ください!